Happy Birthday 2020

2020年。今年は本当になんという年なのでしょう。全世界、全人類が経験したことのない状況に立たされています。気がつけば春が過ぎ、梅雨になり、不安が拭えないまま夏を迎えています。まだまだ終息の入り口さえ見えていませんが、当たり前の日常を取り戻せる日を願ってやみません。

そんな2020年ではありますが、本日8月10日は我が教室のお誕生日です。この１年も生徒さん達と一緒にたくさんのお菓子を作ってきました。そして、目標であった製菓衛生師の国家資格を取ったり、カフェブランコさんでのお菓子販売会など、人生初の挑戦も色々させていただきました。5月には台湾茶のちゃごとさんと初のコラボレーションレッスンをする予定でしたが、こちらはコロナの影響で11月に延期となってしまいました。が、なんにせよ、私のお菓子人生において、新たな道と方向性が見えてきた１年でもありました。

オリジナルレシピで一番苦労したのは、クリスマスレッスンのアントルメ『ノエル・オリエンタル』。ピスタチオを使ったムースをメインにしましたが、このピスタチオムースが本当に難しかった。ピスタチオの風味をふんだんに出そうと思えばえぐみが出すぎるし、量を減らせばピスタチオ感がなくなり味がぼやけてしまう。レシピを考えながら思いましたが、ピスタチオがメインではなく、脇役であればここまで苦労はしなかった、と。しかし、何を血迷ったかメインにしてしまったんですね〜、私。「これ一体なんの修行よ！」って自分にツッコミを入れたくなります（笑）。

私のレッスンでのお菓子はほぼオリジナルレシピなのですが、間違いなく今までで一番頭を悩ませ、苦しんだレシピでした。でも結果的に、自分でも驚くくらい美味しいアントルメが出来上がりました。あの時の満足感は言葉では言い表せません♫ ご参加いただいた生徒さん達も一様に感激感動してくださり、「諦めないで良かった〜！！」と心の底から思いました。

レシピを開発するには、技術や知識はもちろんのこと、想像力が必要。素材によっても味や食感が変わり、同じ材料でもメーカーによってまた変わる。焼きの温度や時間、ゼラチンの量、もっと言えば混ぜ方や作り方によっても全然違う物になるのです。

お菓子って、本当に奥が深い。
奥が深くて難しい。
難しいからゴールは果てしなく遠い。
遠いというより・・・、実はないのかもしれない。
なんてことっ！
あーーーー、お菓子って、お菓子って、本当に本当に面白い。
大好きです💕。

実は、コロナ以外にも今年は私にとって辛い年となりました。私が心から愛してやまない、愛猫のゆうが６月末他界しました。11歳と3ヶ月でした。生後１ヶ月にも満たない頃から育てて、子供のいない私は我が子のように愛し、大切に大切に育ててきました。６つ駆け回った動物病院ではどこも治療法はおろか、病名も原因もわからず・・・。最後に出会った原因治療の病院。やっと良い先生に出会えたと思ったのに、順調に回復していると思ったのに。願いは叶いませんでした。いわゆる『難病』です。同じ環境で同じ条件で育ててきた双子の妹猫、にこは大丈夫。一体何が違ったのでしょうか、何がいけなかったのでしょうか。何より、どうしてもっと早く原因治療の先生を見つけられなかったのか。助けてあげたかった。まだ若いゆうくんを助けたかったんです、なんとかして。本当に。。。答えの出ない自問自答と大きな後悔と喪失感を繰り返し、日々胸が締め付けられています。最期の１秒まで、いえ呼吸が止まってからですら私は諦めていませんでした。それゆえ、１ヶ月以上が経ちましたが、今なお現実を受け入れるのに時間がかかっています。

2020年夏。ゆうとコロナの件があり、私の心の騒めきはなかなか静まりません。でも、冷静に着実に、地に足を着けてゆっくりと、そして真心を持ってしっかりと前に進んでいきます。そう心に決めています。

なぜならば・・・。

環境や状況や感情がどんな時でも、お菓子に対してはいつもいつも誠実な私でありたいのです。

「楽しかった♫」「今日も来て良かった♫」と、レッスンが終わったらそう思っていただきたいのです。人懐っこい営業部長のゆうくんが、例外なく大好きだった生徒さん達全員に。

こんなことを聞いたことがあります。どんなに辛い時でも無理して口角を上げて笑顔を作れば、たとえ作り笑顔でも脳は騙されるって。騙されてだんだん楽しくなってくるんですって。笑顔の力って、本当に凄いですね。

人を幸せにできるお菓子を作るには、まず自分が希望を抱いて幸せでなくては。
絶望オーラの人には明るい未来は開かれないから。
これから訪れるであろうたくさんのHopeとHappyに願いを込めて。

今年も、Happy Birthday💕