ハウスオブフレーバーズ

昨年11月、鎌倉山にあるホルトハウス房子さんの洋菓子店「ハウスオブフレーバーズ」のティールームに行ってきました。こちらのお店を知ったのは、今の家を建てた時にキッチンや家具を担当してくださった方が鎌倉山に家を建てられることになり「近くにこういうお店があるんですよ」と、教えてくださったことがきっかけでした。正直、お世辞にも行きやすい場所にあるとは言えませんが、予約しなければ入ることはできない人気のお店です。主人と二人で車で行きましたが、もっと遠くから電車とバスを乗り継いで来られるお客様も少なくないとか。お店は高級住宅街の奥まった場所、なんと斜面にあります。そう、まるでジブリの世界を彷彿させる雰囲気の中に建っているのです。そんな便利とは程遠い場所にもかかわらず、注文したお菓子を取りに来られるお客様が、ひっきりなしにいらっしゃいます。まさしく知る人ぞ知る、人気のお店なのです。

ハウスオブフレーバーズ店内

ハウスオブフレーバーズ店内

前回行った時はお店のスペシャリテ『チーズケーキ』と『チョコレートケーキ』をいただきましたが、今回のお目当ては期間限定の『マロンシャンテリー』。こちらの『マロンシャンテリー』、期間限定も限定、年にたった2日しか食べられないという幻のお菓子なんです。数年前に超グルメな友人からその話を聞いて興味津々だったのですが、いつも予約の時期に電話するのを忘れてしまい、なかなか行くことができていませんでした。今年はなぜか9月にふっと思い出し、幸運にも予約を取ることができたのです。

店内に入ると、とても上品なマダム達のグループとこれまたとても上品なご家族の2組のお客様が、既に『マロンシャンテリー』を食されていました。目に入ったお菓子を見て、私ったら思わず「わぁ〜、美味しいそう〜!」と声を上げてしまっていました(笑)。席に着くと、この日はマロンシャンテリーとチーズケーキしか注文できないことを説明され、マロンシャンテリーを2つとチーズケーキを1つ、合計3つのお菓子とコーヒー、紅茶を注文しました。主人曰く、「ここのコーヒーは本当に絶品なんだよ〜!!」。コーヒー好きの主人が何度も何度も褒めるのですから、きっととっても美味しいんでしょうね♪ 残念ながら私はコーヒーが苦手なので、いただいたことはありません・・・。

店内から見える風景

店内から見える風景

お菓子は注文を受けてから栗を裏ごしするため、出てくるまでにちょっと時間がかかります。でも、自然に囲まれゆったりとした時間が流れる優雅な店内で、「急いで出して下さい!」と急かすお客様は誰一人いらっしゃらないのではないでしょうか?むしろ待っている時間も、『ティータイムを楽しむ』ことの一部だと思わせる素敵な空間なのです。

注文したものは、15分ほど経ってから運ばれてきました。久しぶりにいただいた『チーズケーキ』は、変わらずボリュームがあってクリーミーで美味しかった♪。そして本日の主役『マロンシャンテリー』。シンプルだけど品良く盛られたお皿を見ただけで、私のテンションは一気に上がります。ふわっふわに裏ごしされた和栗の周りにはホイップクリームが飾られ、中にはなんと巨峰のマリネが入っていました!栗と生クリームと巨峰・・・、使っているのはこの3つの材料だけなんです。この3つ、別々に食べてももちろん美味しいんですが、一緒に口に入れると益々美味しい!!。う〜ん、ボキャブラリー乏しいなぁ・・・(笑)。「美味しい」の一辺倒じゃ伝わりにくいですよね。つまり・・・、「上品」でお味が「本物」なんです。

チーズケーキとマロンシャンティー

チーズケーキとマロンシャンテリー

お料理でもお菓子でもシンプルって、実はとっても難しいですよね。こだわって探し当てた素材の本物の味を引き出すことができなければ、「シンプルで美味しい」ものにはならないでしょう。だって食材「そのもの」の味だけが欲しいのであれば、「そのもの」を食べていれば良いことですし。ゴテゴテ味付けするわけではないけれど、丁寧に手を加える。その手間によって素材の美味しさを何倍にも引き上げる。さらに、いくつかのパーツを一緒にいただくことで、また何倍にも何十倍にも美味しいものに変化する。ここに行き着くためには、食材と向かい合う本気の心がなければきっと無理なんだと思います。ホルトハウス房子さん始めとするスタッフの皆さんの「作ること」「食べてもらうこと」への真摯な姿勢が、ひしひしと伝わってきました。

上品に食し会話されている他の2組のお客様と違って、「美味しい美味しい、ほんとに美味しい〜!!」を一人で連発しているものですから、さすがにスタッフの方も面白かったのでしょう。笑いながら私に近づいて来られ、「おかわりもありますよ♫」と仰ってくださいました。間髪容れずに「本当ですか?!」と喜び、かつ前のめりに返事をする私を見て、主人「本当にそんなに食べられるの?」。心配する主人を横目に「だって1年後まで食べられないのよ〜!」と、速攻で「おかわり、お願いします!!」とお返事してておりました〜(笑)♫ もちろん一皿目は、おかわりが来るまでにペロッと食べてしまっていました💓。

伝わりづらいとは思いますが、おかわりしたマロンシャンティー(笑)

伝わりづらいとは思いますが、こちらはおかわりしたマロンシャンテリーです(笑)

 

本物を提供する場所には、どんなに遠くてもお客様は足を運んでくださる。だからこそ物を作る人間にとっては、「本物を追求する」姿勢が何より大事なのです。そんな当たり前の基本の精神を改めて教えていただいた気がしました。「私ももっともっと頑張らねば!」そう思わせる、楽しむだけではない学ぶことの多いティータイムでした。

 

外観

ハウスオブフレーバーズ外観

今年も忘れずに予約してまた行きたいと思います。
こだわりの場所にある、本物のお菓子を食べに・・・。

 

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