虎屋の羊羹
私が大の和菓子好きであることは以前にも書きました。和菓子と一口に言っても大福、わらび餅、あんみつ、羽二重餅、みたらし団子、最中、栗きんとん、などなど。本当にたくさんの種類がありますよね。苦手なものをみつける方が難しいくらい、どれもこれも大好きです。
その中でも羊羹と言えば、和菓子の代表的とも言えるお菓子。練り羊羹、水羊羹、栗蒸し羊羹など、色々。私は羊羹も大好き。和菓子が好きなので当然と言えば当然ですが(笑)。大好きで大好きで😻。特に練り羊羹が好きなんですが、超有名『虎屋』の羊羹は本当に格別です。たまプラーザの東急百貨店にも『虎屋』が入っているので、たまに羊羹を買いに行きます。お気に入りは、小倉羊羹と抹茶羊羹💕。
練り羊羹派の私ですが、昨年の秋に初めて『虎屋』の栗蒸し羊羹を買ってみました。実は栗蒸し羊羹はそんなに好きではなかったのですが、さすが『虎屋』さん!甘さ控えめで、インパクトはないですが、クセになりそうな品の良さ。昨年の秋だけで、3回も買いに行っちゃいましたよ(笑)。栗の旬の時期、秋にしか買えない季節限定のお菓子なので、いつでも食べられるわけではないんです。あ〜、すでに今年の秋が待ち遠しい(笑)。
そして変わりダネとしては。生徒さんからいただいた企画ものの羊羹。その名も「イスパハン」。とらやパリ店40周年を記念して、フランス菓子の『ピエールエルメ』と『虎屋』がコラボレーションした商品だそうです。色もバラ色で香りもバラの香り。そして、お味も・・・。一口食べてみると、
おおおおーーーー、イスパハン!!!(驚)
パリ留学中、たまに「TORAYA Paris」に行って一人でお茶をしてました。当時はフランス人にはあんこが苦手な人が多かったように記憶しています。あれだけ美味しいお菓子屋さんが溢れているパリ。日本からきた「和菓子を扱うお菓子屋さん」なのに、「TORAYA Paris」は地元のパリジェンヌやパリジャン、マダム達にも人気を博し、カフェはいつも地元の人達でごった返していました。その理由はというと・・・。当時は「ザ和菓子!」のようなお菓子はあまり置いていなかったように思うんです。和菓子なんだけれども、和菓子の固定観念にとらわれず、味、材料、見た目、など、全てにおいてフランス人が好きそうなものに近づけたお菓子。つまり、フランス人の好みを外さずにきちんと『和菓子』を表現した点が、フランス人にしっかりと受け入れられた理由のような気がします。
一番驚いたのは『りんごの羊羹』。食べてみるとゼリーのような感じがしましたが、おそらくりんごと白あん、寒天を使って羊羹を表現していたんでしょうね。「これは羊羹じゃないなぁ」なんて、当時は思いましたが、一方で「あーこれなら、あんこの嫌いなフランス人も好むかも」と新発見したものです。和菓子に親しみのないフランス人の中に『和』を取り込むには、伝統ある自分達の文化を主張するよりも、まずはその地の人達の舌を引き付けないといけなかったのだと思います。
最近のフランスではあんこを使った王道の和菓子も人気が出てきていると、少し前にニュースで観ました。2020年代に入った今、遠いフランスの地で『和』のお菓子に興味を持ってもらえるのは、それ自体の味が良いことももちろんですが、『虎屋』さんのように相手を研究し尽くした上で商品開発をし、その懐に見事に入り込んだ熱い探究心の結果とも言えますよね。
「りんごの羊羹」や「イスパハン」。さすがは『虎屋』さんです。熱心な研究の結果、きっと何でも羊羹で表現しちゃうんだろうなぁ。昔も今も感動しっぱなしです。
次はどんな企画ものが出てくるのでしょうか。楽しみですね♫
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