反田恭平さんの凱旋コンサート
5年に一度、ショパンの故郷であるポーランドの首都・ワルシャワで開催される「ショパン国際ピアノコンクール」。世界中のピアニストが目指す最高峰の舞台です。5年に一度だけ開催されるこのコンクール。本来は2020年に開催予定だったのですが、新型コロナ感染拡大の影響で1年延期となり、昨年2021年10月、6年ぶりに開催されることとなりました。
その「第18回 ショパン国際ピアノコンクール」で見事、第2位の成績を収められたのが、反田恭平さん。メディアでも連日たくさん取り上げられていますよね。その反田さんの凱旋コンサートに1月8日行ってきました♪♪♪時の人というだけあって、1月7日分は即完売。奇跡的に私が行けたのは、翌日の8日追加公演分でした。
クラシック音楽は全然詳しくありませんし、コンサートも今までに2回しか行ったことがありません。会場のサントリーホールには初めて行きますので、当然足を運ぶのも緊張しました。でもそんな緊張は最初だけ。本当に本当に本当に素晴らしい演奏会だったのです!!!
私が普段聴くクラシックと言えば、バレエ音楽のチャイコフスキーか、モーツアルト、そしてフィギュアスケートの浅田真央さんが競技用に使われていて知ったラフマニノフ、くらいです。そんな私が、なぜ急にショパンを好きになったのか。。。
昨年、愛猫にこが病気療養中。原因療法で治療を頑張っており、1日数時間吸入を行っていました。私が抱っこして一緒に吸入をするのですが、その長い時間をできるだけ気分良く過ごしてもらいたくて、毎回音楽を聴かせてあげていました。YouTubeを調べると病気療養中の子に聴かせてあげると良いヒーリング音楽が色々と出てきます。一昨年、ゆうくんが病気療養の時にはこれらのヒーリング音楽を聴かせていました。ヒーリング音楽ってその名の通り、本来「癒し」の音楽なはずなんですが、何だかちょっと寂し気なんですよね。私には落ち着くというより、悲しい気持ちになる音楽なんです。なので、にこちゃんには敢えてヒーリング音楽として紹介されているものではなくて、素直に心地が良くなるクラシック音楽を聴かせてあげようと思いました。
Amazon Musicで色々な音楽を流しました。私が聴き慣れているチャイコフスキー、モーツアルト、ラフマニノフ。加えて、ベートヴェンややシューベルト、ビバルディにバッハ、などなど。たくさんの有名作曲家の音楽を聴かせてみましたが、にこが心地良さそうになるのは、決まってショパンの曲だったのです。ショパンの音楽がかかると、自然と安らいだ感じで寝るんです。ちょっとしんどそうにしていた時でも、ショパンの曲がかかると私の胸の中でスヤスヤと寝息を立てて眠ったりするのです。その後、ベートヴェンがかかり、起きてしまうこともありましたが(笑)。
「にこちゃんはショパンが好きなのね♬」
にこの好みがわかってからは、ショパンのいろんな曲を聴かせてあげました。いくら私が抱っこしてるからと言っても吸入自体を好んでいたとは思えません。だけど、ショパンの音楽がかかるとちょっとリラックスして嬉しそうなのです。心地良さそうなのです。最後の数日間、にこがスヤスヤと眠るのは私の腕の中だけでした。もちろん、ショパンの曲をBGMにして。
にこが亡くなってからも、私は毎日ショパンの曲を流しました。家中に響かせました。49日が過ぎるまでは、私が外出して家に誰もいない時も、ショパンの曲をかけ続けました。時には、「にこちゃん、聞こえてる?にこの大好きなショパンだよ」と、姿のないにこに話しかけながら。
亡くなった当初は、ショパンを聴きながら泣きました。特ににこが大好きで必ず寝息を立てて眠る曲が流れると、思い出して涙が溢れて止まりませんでした。それでも毎日ひたすら流し続けました。にこに聴いてほしいから。にこに心地良くいて欲しいから。にこが大好きな曲だから。聴くたびに涙が出てきていたショパンの音楽。涙を流しながらも、気が付けば、同じショパンの音楽に私の心は癒されていたのです。
だけど、クラシック音楽って面白いんです。同じ曲でも演奏者によって全然雰囲気や音の感じが違うんですよね。私がにこに聴かせていたのは、優しく柔らかくて細い繊細な音のショパン。今回のコンクールで1位だったカナダ出身のブルース・リウさんが奏でるショパンは、まさにそんな感じの音楽です。なので、とっても素敵なんですが、彼のショパンを聴くとどうしても涙が出てきます。一方で、反田さんのショパンは、私がにこと聴いていたショパンとは違って、とても力強い。だけど単に力強いだけではなくて、力強さの中に柔らかさがあってかつどことなく深みを感じるんです。クラシックに詳しくないので、言葉で表現するのは難しいのですが・・・。とにかく、反田さんの力強いショパンからは悲しい気持ちどころか、むしろ、元気と勇気と活力がもらえるのです。
不思議でした。とってもとっても不思議でした。
49日を過ぎてからは、なぜか反田さんのショパンが聴きたくなるのです。コンクールで2位を取られて以降、時期的にもあらゆるテレビ局の様々な番組で反田さんがゲストで呼ばれて演奏されており、NHKではたくさんの特集番組が組まれていました。私はわかる限りの番組を片っ端から録画して、毎日聴きました。私の心は、涙を誘う優しいショパンではなく、活力をもらえるショパンを求めているのです。
本当に不思議ですよね。
そして、凱旋コンサートのことを知り、幸運にも追加公演に行けることになったのです。凱旋コンサートというからには、もちろん曲目はコンクールで演奏された曲でした。アンコールを含めると予選で演奏された曲は全て弾いてくださったようです。アンコールを数曲弾かれた後のトークで「今ので、予選の曲は一次、二次、三次と全部やりましたね」と笑っておっしゃっていましたから♬
音符も読めない私には詳しいことは全く分かりませんが、とにかく元気の出るショパンでした。その力強さも、柔らかさも、なんとなく感じる奥深さも、素晴らしいピアノタッチも、圧倒的な集中力も。感動のショパン演奏でした。最後のアンコール曲は、ショパンではなくシューマン=リストの「献呈」。反田さんはこの曲を「愛して止まない曲」と紹介されました。私にとっては初めて聴く曲でしたが、「シューマンかぁ、これからちょっと聴いてみようかな~」とか思ったりして。
こうやって、たまにクラシックのコンサートに出掛け、知らない世界を広げて知っている曲を増やしていくのも楽しいかもしれませんね♬
反田さん、素晴らしい演奏をありがとうございました。
そして、
にこちゃん💓
ショパンとの素敵な出会いをありがとね。大好きよ💓
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