マロンシャンテリーまでのバタバタ道

昨年の初秋。鎌倉山にあるハウスオブフレーバーズの限定の『マロンシャンテリー』を食べに行きたくて早々に予約を取りました。毎年恒例ではありますが、今回は特に行く相手が決まっていたわけでもなく、2名とりあえず予約してみました。私の知り合いにはお菓子好きがたくさんいますから、年に2日しか食べられないこちらのマロンシャンテリーの話をすれば、一緒に行ってくれる人が一人くらいいるに違いないという期待の元。いつものリッツのお菓子仲間達は予想通り「行きたーい!!!!」「行きたーい!!!」と。でも・・・、残念なことに全員がどうしてもスケジュールが合いません。「来年は絶対行きたいから、そのあたりの金曜日空けておくからね!」「来年は絶対!!」と、みんな泣く泣く断念。

ハウスオブフレーバーズのマロンシャンテリー♡

そして声を掛けたコルドン時代に知り合いになったお菓子好きの方、この方が一緒に行ってくださることになりました。お誘いすると凄く喜んでくださって、「行く!」と即答でした。10日ほど前から何をいくつ頼むか、どうやって待ち合わせるかなど色々と決めて張り切っていたのですが・・・。なんと、予約日前日の午前中「もしかしたら行けないかも」との連絡が入りました。体調が芳しくないらしく、今から病院に行くとのこと。そしてその午後「病院で溶連菌と診断されたため、やはり明日は無理になりました」とのメールが。ご病気ですから仕方ありません。「お大事に・・・」としか。

メールを返信した後、ハッと我に返り。。。

さぁ困りました。

予約は翌日の14時、連絡を受けた時間は既に16時。。。今更キャンセルも無理でしょうし、これから誰か誘うと言っても平日の昼間ですから、声を掛けられる相手はそういません。正直言って、こんなに困ったことは久しくありませんでした。最悪一人でも行くつもりにしていましたので、「これは難しいな〜。一人で行くしかないかな・・・」と、ほぼそういう気になっていました。

ハウスオブフレーバーズ

9割方そうしよう思ったその時!ある方を思い出したのです。鎌倉山のお店まで歩いていけるくらいご近所にお住いの方!そう、こんな私があんな高級住宅地にお住いの知り合いが一人だけいるのです!「あーっでもお仕事かな〜。うーんでも、考えてる暇はない、当たって砕けろ!」ダメ元で電話をしてみると、「近くだけど行ったことなかったから一度行ってみたかったんですよ。仕事があるけど・・・、なんとかします!」と言ってくださったのです(涙)。

正直こんなにありがたいことはありませんでした。前日ギリギリにお誘いして、しかもお仕事あるのに都合をつけてくださって。鎌倉山で一人寂しく、しかも2人分のマロンシャンテリーとチーズケーキという超ボリューミーな(笑)ティータイムを過ごさずにすんだのです。この時ほど人の優しさが身に沁みたことはありません。。。私も誰かが困っている時、できるだけ期待に添えるようにしてあげよう。心からそう思いました。困り果てていたはずの夕方、しかしその夜にはこの上なく温かく幸せな気持ちで過ごしている私がいました。

入り口はこんな感じ

次の日・・・、予約当日。遅れないようにかなり早めに家を出ました。横浜駅からJR新宿湘南ライナーの逗子方面に乗って、鎌倉駅まで約25分。電車に乗って椅子に座ると、耳にはイヤホンをつけてお気に入りの音楽を聴き、クリスマス特別レッスンのメニューを考えていました。鎌倉駅への到着時間は覚えていましたらから、「そろそろかな〜」と顔を上げると、窓の外の景色は何だか川を渡ってる感じでした。そして、次の瞬間流れた車内アナウンス「次は大崎〜、大崎〜」。なんと、わたくし間違えて反対の渋谷方面に乗ってしまったのです!「んんっ?おおさき????大船じゃなくて大崎?大崎なんて駅、鎌倉方面にあったっけ?」

まさか自分が反対方向の電車に乗っているなんて夢にも思いませんから、のん気にすっとぼけたことを思っていました。あの頃私の頭の中はクリスマスレッスンのメニューのことでいっぱいでしたから、相当集中していたんだと思います。音楽もあまり耳に入っていなかったような。。。

ちょっとママ、大丈夫〜?

大崎駅に到着して扉が開き、そして閉まる頃、ようやく我が身の状況に気がついたのです。「あああああああああーーーーー、ここ???えーーーーーっ、東京〜????」ガバっと勢い良く立ち上がり、急いで扉に向かいましたが、無残にも目の前でシャーっと扉は閉まり・・・。そう、虚しくも次の恵比寿駅まで電車は私を運んだのです。扉がしまり静かに車内を振り返ると・・・、乗車客が全員私の方を見ていました(苦笑)。まるでドラマかコントかのように。全員が全員、それはそれはとっても気の毒そうな顔で・・・(恥)。「あーあ、やってしまった〜😣!」と焦りながらも、立ち上がった時に落として転がっていったペットボトルのお茶をスゴスゴと拾いに行く、悲しい私。。。

さ・い・あ・く・・・⬇️。

ほんっとに私って人は、最悪です。前日の夕方に突然連絡してお誘いして、お仕事の都合までつけていただいたのに。。。早めに出ていたとは言え、今から引き返して鎌倉まで、一体何倍の時間がかかるのよーーーー😭(涙)。幸運なことに恵比寿についたら直ぐに鎌倉方面行きの電車が到着しました。その間1分くらいでしたでしょうか?急いで電話をして事情をお話して謝ります。その方は笑いながら、「さえきさーん、大丈夫ですか〜?(笑)私の方は休憩時間をずらせばいいだけですから、大丈夫ですよ。気をつけていらしてくださいね♬」と言ってくださったのです。優しい、優しい、本当に優しーーーい。昨日の夜、人の温かさと優しさをこの上なく感じたと言ったばかりですが、訂正します。この日の方がもっともっと強く強く感じました!そしてこちらが迷惑かけているにもかかわらず、こうやってさら〜っと相手を思いやる言い方のできる人。とっても素敵です。これぞ、「品格ある大人の女性の振る舞い」なんでしょうね。。。

ようこそ!って言われてるみたい(笑)

ばったばたで向かった鎌倉山。早めに家を出ていたので何とか30分の遅刻ですみ、ようやくたどり着いた「ハウスオブフレーバーズ」。そもそも遠い鎌倉山が、今回はより一層遠かった。。。とは言え、1年ぶりの『マロンシャンテリー』。こんな状況でも今年もとっても美味しい♡。スペシャリテの『チーズケーキ』もやっぱり美味しい♫ お誘いした方も「美味しい♡」って喜んでくださって。そこからピーチクパーチク、お喋りに花を咲かせ。バタバタでやって来たとは思えないくらい、本当に本当に楽しい時間を過ごすことができました。

これだけバタバタな私にお付き合いしてくださったにもかかわらず、その方は最後に、「食べてみたかったケーキをいただけましたし、佐伯さんともお仕事抜きで一度ゆっくりお話したかったから、誘っていただだけて嬉しかったです!」なんて、こんなこと言ってくださったんですよ〜(涙)。もはや天使です!人ってこうあらねばならないですね〜。彼女の心の温かさと優しさから、私はまたしても「人の道」を教わりました。

今回はいつも以上にキラキラ輝いて見えました♫

ドジ子炸裂の秋。たくさん謝り、たくさん優しさに包まれ、たくさん感謝した2016年の秋でした。改めて感じる、人と人の繋がりのありがたさ。そして考えさせられる「品格のある人としての振る舞い方」と「電車の乗り方」(笑)♬

人生まだまだ修行であります・・・(笑)。

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