古いものへ憶いを馳せて

私はアンティークものが大好き。カルティエ時代、運良くパリ研修に参加させていただける機会がありました。滞在中、研修の一環として、パリのグラン・パレで2年に1回開催される「パリ・アンティーク・ビエンナーレ」に連れて行っていただきました。当時すでに20回以上も訪れ、留学先でもあったパリではありますが、「アンティーク・ビエンナーレ」に入るのは初めてのこと。緊張しながら踏み入れた由緒ある会場。ゴージャスな雰囲気に、私は一瞬でメロメロになりました。

カルティエで高価な宝飾品はたくさん見ていたはずなのですが、やはりそこはアンティークの世界。値段だけではなく、重みがあるんです。広い会場にはありとあらゆる価値あるアンティークものが展示されていました。カルティエのスタッフとして行かせていただいてますので、私達が向かった先はもちろんカルティエブース。「カルティエ・トラディション」としてたくさんのジュエリーや時計が出展されていました。本でしかみたことのない歴史あるジュエリーが、実際私の目の前にあるのです。丁寧に丁寧に作られたハイジュエリーの数々。日本の店頭ではなかなかお目にかかれない珍しいものがたくさん並んでいたのを覚えています。

パリ・ビエンナーレ会場(出典:西洋アンティーク鑑定検定試験協会)

カルティエ以外にも、のちに働くこととなるヴァンクリーフ&アーペルのハイジュエリーやティファニーも出展されていました。ヴァンクリーフがハイジュエリー分野が得意であることは当時から知っていましたが、ティファニーも昔はこんなに手の込んだハイジュエリーを作ってたんだ・・・と驚いたものです(無知でスミマセン・・・)。目の前に広がる歴史あるジュエリー達が、私の心を掴んで離しません。まさに興奮MAX状態とはあのことでしょう(笑)。でも、当時アンティークに興味があるのはどうやら私だけだったようで、みなさん宝飾品コーナーから動くことはありませんでしたね。うーん、本当はありとあらゆるアンティークもの見て回りたかったんだなぁ〜、私。ベテラン先輩方の中、一番職歴が短い下っ端の私にそんなワガママを言えるはずもなく・・・😱。またいつかゆっくり行けたら良いな♬

今年はビエンナーレ開催年!詳しくはこちらから御覧ください♬
パリ・ビエンナーレ2018

古いものが大好きな理由。クラシックなデザインもさることながら、その時代を感じることができる奥深い魅力。新しいものにはない価値と世界がそこにはあるのです。「一体どんな人が使っていたんだろう」「これが使われてた時代はどんな風景だったのだろう」「どんな生活の中でこれを使っていたんだろう」・・・って、想像するだけでワクワクするのです。得意の妄想ゆみこ、炸裂です(笑)。

私の叔母もアンティークものが大好きで、お家にはたくさん素敵なものが並んでいます。幸運にも、最近いくつか(結構たくさん)いただいちゃいました😍。アンティークものって、好き嫌いが激しく分かれるんですよね。好きな人にとっては価値あるものですが、興味のない人にとってはただの古いもの。何でもそうかもしれませんが、やっぱり価値がわかって好きで大切にしてくれる人に譲りたいですよね。叔母は毎年夏にイギリスに長期滞在するのですが、嬉しいことに、アンティークの素敵なものを色々探して見つけてきてくれます。今年も素敵なお土産もらっちゃいました💕。なんと、シルバーのシュガースプーン!ほんっとに、素敵、見てるだけで幸せになりますね。うふふふふ・・・(笑)。いつも本当にありがとうございます❤️。

叔母からのお土産。アンティークのシュガースプーン。左の2本が今年、右は去年もらったもの♬

そして、最近(と言っても数年経ちますが😁)近所にアンティークショップができました。一度だけふらっと入ったことがありましたが、その時は何も買わず。先日主人を連れて行ってみました。ガーデン物を探しに行ったのですが、私の心を掴んだのは、小さなスプーンのセット、2種類。入荷したばかりだったようで、値札も付いていませんでした。フランスからやってきたその古いスプーン達。一体どんな人が、どんな環境で使われていたのでしょうね。巡り巡って平成の時代、日本の横浜の我が家にやってきました。現代でもテーブルやお菓子を魅力的に引き立ててくれそうです。ちなみに、アンティークに全く興味のない主人。ガーデン物を見ていると「錆びてるよ、これ!」とか言っちゃって。あっという間に飽きていました😱。ロマンのわからん男だな〜、本当に(笑)。

近所のアンティークショップで購入したティースプーン達。

さらに先日、古いものをいただく機会がありました。生徒さんのお友達のご両親の遺品を譲っていただいたのです。どのくらい古いものなのかはその方にもちょっとわからないらしいのですが、どうやらチェコで手に入れたもののようです。どんなお店に置いてあったのか、ご両親がどんなお気持ちで選ばれたのか。縁あって日本の温かいご家庭にやってきたピッチャーとグラスのセット。長い時間を一緒に過ごされてきたお宅から我が家へとやってきました。「ようこそ、我が家へ。来てくれてありがとうね。」箱を開けて、ものを机に並べて、私はこう声を掛けていました(笑)。大切に大切に使わせていただきますね。

生徒さんのお友達にいただいたグラスセット。薄い赤が本当に素敵♬

こちらも生徒さんのお友達からいただいたクグロフ型。

アンティークものに心を馳せる気持ちは、お菓子についても同じこと。新しいものばかり追いかけるのではなく、古いものから得ることってたくさんあると思うんです。時代に乗り遅れる心配ばかりするのではなくて、時間を振り返って本質を学び、知る。そもそも流行に乗るのが苦手な私は(笑)、「今これが流行ってる」「今これが人気」といった情報を追いかけ回すと、いつの間にか疲れてしまっています😀。(広告代理店やジュエラーのマーケティングで勤めていた人間とは思えない発言ですが(笑))私がジュエラーの中でヴァンクリーフ&アーペルが一番好きな理由も、デザインはもちろんのことですが、新しいものばかり追いかけ過ぎない昔を大切にする姿勢が好きだからかもしれません。私らしく、ゆっくり、じっくりと、本質を知り、上質なものに触れていたい。。。今、改めてそんな気持ちになっています。

「不易流行」「温故知新」。とっても素敵な考え方です♬

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